もつ鍋文化論

大将

今からさかのぼること60年前。ひとりの老婆が呟いた。

『ふう・・・。それにしてももったいない。あれを・・・すてるなんて、嗚呼もったいない、もったいない。』

もったいないと言うのが彼女の口癖ではあったが、それについては、とくに、いつもより激しかった。

『なんとかならんもんかね・・・。焼いて食べておいしいんだから・・・。』

彼女は、鍋にすることを思いつき、早速、裏の畑でちょうど食べ頃になっていたニラとキャベツを入れ、ごくごくシンプルな鍋を作った。

もったいないが生んだこの行為が歴史的瞬間になったことを彼女はもちろん知らない。

そう、それが口コミで広がり、一個の素晴らしいレシピとなった。

これが“もつ鍋伝説”である。

『あーもったいない、もったいない。ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、ブツブツ・・・』

老婆がそのもったいない精神でつくりあげた“もつ鍋”

ごたごたぐちゃぐちゃ冷凍品を詰め込み、単価をつり上げ庶民から、なけなしのお金を巻き上げる、いわゆるゴージャス姉妹のような鍋とは違い、実にシンプルな構成でまとめられた“もつ鍋”。

しかも材料は全て純国産。メイドインジャパン鍋。

昭和復興の犠牲者、50代の若者たちよ、たかるだけが目的のファミコン世代の可愛げのない部下たちに、うんちく攻撃をくらわす時のポイントを著したので、ぜひご覧ください。

メモは結構です。メールで送ることもできません。たまには直脳で憶えましょう。

その一 うまいもつ鍋はくさくない

その二 もつには必須アミノ酸が多く含まれている

その三 もつ鍋はヘルシーである

その四 もつを“噛む”とアタマが働く


以上です。

長々と駄文におつき合いいただき、ありがとうございました。

あっ、それこそ時間がもったいない、もったいない、ナムアミダブツ、ブツブツ・・・。

せっかくの鍋が冷えてしまいます。

お席にお戻りになって、ニッポンの未来を明るくする大言壮語など酒の勢いに任せて、たまにはおっしゃられてください。