
今からさかのぼること60年前。ひとりの老婆が呟いた『ふう・・・。それにしてももったいない。 あれを・・・すてるなんて、嗚呼もったいない、もったいない。』
もったいないと言うのが彼女の口癖ではあったが、それについては、とくに、いつもより激しかった。 『なんとかならんもんかね・・・。焼いて食べておいしいんだから・・・。』
彼女は、鍋にすることを思いつき、早速、裏の畑でちょうど食べ頃になっていたニラとキャベツを入れ、 ごくごくシンプルな鍋を作った。もったいないが生んだこの行為が歴史的瞬間になったことを彼女は もちろん知らない。
そう、それが口コミで広がり、一個の素晴らしいレシピとなった。 これが“もつ鍋伝説”である。『あーもったいない、もったいない。 ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、ブツブツ・・・』